■昨日は書くのが遅くなりました。
いつもはバイト先の某図書館から、仕事中に書いていたので夕方7時ごろに書けてたんですけどね。
昨日図書館が長期休みになったので暫くオヤスミでね。
お家で書いたんですよ。
お家のパソコンは共用なので、時間が夜11時まで空いてなくてね。

これから暫く書く時間はまちまちになると思います。
 

■友との再会 (テス視点)
空を飛んでいるっていう感覚は、ほんの一瞬だったと思う。
気付いた時には、すぐそこに地面があって、思いっきり目測を誤ったボクは、地面に叩きつけられていた。
「……うぅ」
うめきながら起き上がると、左の肩が物凄く痛い。どうやら落ちた時に思いっきり打ちつけたらしかった。
周りを見回してみると、皆があっけに取られたような顔でボクを見ている。
「えぇと、無事?」
「無事です」
ピエールがなんとかかんとか、声を搾り出して答えてくれる。
馬車も壊れてないみたいだった。
「何で急にオイラたち空を飛んだんだ?」
体を震わせながら、スラリンが呟く。
「何かねえ、今のがルーラみたい」
ボクはそう言って、振り返る。
すぐそこに、ラインハットの町並みが見える。
「主殿、出来ればこれからは一声かけてからその魔法は使ってください」
「そうだね、あと、今度から降りる時にも気をつけよう」
ボクが左肩をさすりながら言うと、ホイミンがホイミを掛けてくれた。
「ありがとうね、ホイミン」
お礼を言ってから、ボクはふらふらと近くにあった木の根元まで歩いてから、胃の中のものを全部吐き出した。
「だ、大丈夫かテス?」
スラリンが心配そうにボクを見上げて聞いてくる。
「うん、大丈夫……。でもボクこの魔法、ちょっと苦手かも。気分悪い……。ああ、昼食べた胡桃のパン、おいしかったのになあ」
 
ボクらは暫く休んだあと、ラインハットのお城を目指して歩き出した。
皆には馬車の中に入ってもらって、一緒に行くことにした。皆もヘンリー君に会いたいし、お城の人たちはボクが魔物と仲良くできるのを知っている。
 
城下町で花屋に立ち寄って、プレゼントする花束を作ってもらうことにした。
「どのような花束にされますか?」
「ええと、ボクよく解らないんで適当に作ってください」
「どんな方にプレゼントされるんですか?」
「ボクの友人に結婚のお祝いに渡したいんです。ええと、真っ直ぐで心強い友人です。お相手は……優しい綺麗な人です。清廉潔白な……」
「あらあら、素敵なカップルですね。ええと、御予算は?」
「そういう相場も良くわからないんですけど……ええと、30ゴールドくらいの」
「まあ! かなり大きいですよ?」
「物凄くお世話になった友人なんで、大きいくらいがいいんです」
「あら、そうなの? じゃあ、ちょっと高い花も入れながら大きい花束をつくるわね」
花屋のお姉さんは笑いながら、白い花を中心に黄色い花が入った大きな花束を作ってくれた。
確かに、ちょっと大きかった。
 
花束をもって、ラインハットのお城へ向かう。
町の雰囲気も随分明るくなっていて、この国が良くなっていっているのが良くわかった。
入り口を守っていた兵士さんがボクを見て、すぐに
「ああ、ヘンリー様の御友人の! どうぞお入り下さい!」
って通してくれる。
「御案内しましょうか?」
「いえ、お城の中、わかりますから。あ、でも、ボクの馬車を中庭に持っていっておいてくれませんか?」
「わかりました! では!」
片方の兵士さんが馬車を置きにいってくれて、もう一人の兵士さんが門を守りに行くのを見届けてから中へすすんだ。
 
お城の中も、前みたいにギスギスしていない。
とても暖かな感じだった。
ボクは自然と笑いながら、歩く。時々すれ違う人たちが、ボクの持っている花束を見て驚いている。
 
何度か階段をのぼって、ようやく王座の間に着いた。
デール君が、王座に座っていた。
「こんにちわ、デール王。ご機嫌いかがですか?」
王様にどうやって声を掛けたらいいのかわからなくて、とりあえずそうやって声を掛ける。
デール君が嬉しそうに立ち上がってボクの手を取った。
「こんにちわ! テスさん! お久しぶりです!」
「デール君も元気そうで良かった。……ヘンリー君は元気?」
「ええ、もちろん。この上に居ますから是非会っていってあげてください」
「うん、ありがとう」
「それで、兄に聞いたのですが、テスさんは伝説の勇者をお探しとか。ボクも色々情報を集めてみたのですが、どうやら天空の盾がサラボナという町に存在するみたいなんです」
「本当に!? 今度行く予定だったんだ!」
ボクが驚いていると、大臣が一歩前に進んで声を掛ける。
「サラボナにはルドマンという名の富豪が住んでいるそうです。その方に話を聞いてみると良いかと思います」
「ありがとう!」
ボクはデール君と大臣と握手して、精一杯お礼を言った。
「こんなことしかボクには出来ませんが……」
「ううん、十分だよ、有難うデール君!」
デール君は少し恥ずかしそうに笑った。
「兄に、会ってあげてくださいね」
「うん、わかった」
 
ボクは王座の間の上にある部屋へ案内された。
昔は、偽の太后なんかも使ってた、一番城の中で豪勢な部屋。
ボクは扉をノックしてから中に入る。
「ヘンリー君、いるー?」
ヘンリー君は、丁度テーブルで紅茶を飲んでいるところだった。
「あ? 誰だよ」
そういいながら、振り返る。
多分「君」付けで呼ばれるなんてこと、お城ではないからちょっと怒ってるんだな、とか思った。まさかボクが居るなんて思ってないだろうし。
「……!」
振り返ったヘンリー君の目が大きく見開かれる。
「こいつは驚いた! テスじゃないか!」
言いながら、ドアまで駆け寄ってくる。
「やあ、久しぶり。元気だった?」
「ああもちろん! 随分お前の事探したんだぜ!」
「ボクはあれからすぐ、別の大陸へ行っちゃったからね」
「その、結婚式に来て貰おうって思ってさ……。実はオレ、結婚したんだ」
「うん、知ってる」
あっさり言うと、ヘンリー君がちょっとあっけに取られたような顔をした。
「隣の大陸まで噂が来てたよ。これ、お祝い。……ヘンリー君、結婚おめでとう」
「でけぇ花束だな」
「相場がわからなくてさ」
「お前幾ら出したんだ」
「30ゴールド」
「出しすぎ。お前旅の途中なんだから無駄遣いすんな」
「無駄じゃないよ、お祝いなんだから。それよりヘンリー君の相手を紹介してよ」
そういうと、ヘンリー君はぱーっと赤くなった。

部屋の奥から、一人の女性が歩いてきた。
ボクは「やっぱりなあ」という気分と「本当に?」という気分とが混ざり合って、ちょっと不思議な気分になった。

 
ヘンリー君、再登場。
ちょっとだけ、ラインハット編は長くなりそうな予感がしてます。

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