■ビアンカちゃんが仲間に入って、ちょっと浮かれ気味に色んな町に行ってみました。
 
某港町(バレバレ)の、踊り子さんの胸が覗ける地点に行って
「覗けますよ、場所変わりますか?」
みたいな台詞に、「はい」って答えたら
「今からスタートね」
「え? ナニが?」
「今日から丸一日、テスとは口をきかない」
だそうです。
悪かった、悪かったよビアンカちゃん。
 
ビアンカちゃんにもちゃんと逆襲されたけどね。
妖精の城でね。
「テスと結婚しなかったら、こんな苦労はしなかったでしょうね」
だって!! 
きっつい、きっついよビアンカちゃん!
 
まあ、冗談だって言うのはわかりますけどね、テっちゃんはやっぱりショックを受けたらしく、その後ビアンカちゃんに「ウソよ。そんな顔しないで」と言われてました。
 
やっぱりビアンカちゃんには敵わないです。
テっちゃんは貴方の夫でもありますが、何よりもテっちゃんはあなたの弟であり、ペットみたいなもんです。永遠に。
 
 

■ルラフェン 5 (ベネット爺さん視点)
助手がふらりと戻ってきたのは、此処を出て行って丁度10日たった日の昼下がりだった。
ワシは昼飯を食べる為に、居住スペースである二階でのんびりしておった。
助手のその腕には、草の植わった鉢があった。
 
「こんにちは、遅くなりましたけど、ルラムーン草です」
「なんと! ルラムーン草を持ってきたじゃと!?」
「遅くなっちゃいました。ルラムーン草の草原があんまり綺麗だたから、二日ばかり逗留してしまって」
「そういうことはどうでもエエ」
ワシは言うと、助手の鉢植えを見る。
「これがルラムーン草か」
助手の鉢植えには何の変哲もない草が植わっている。
「やはり夜中に光るのか?」
「ええ、とっても綺麗ですよ」
「あっぱれあっぱれ、早速実験を再開することにしようぞ!」

ワシは助手を伴って、一回の実験室へ赴く。助手はワシの近くでその実験を見守っておる。
ふらりとやってきた助手ではあったが、中々の拾い物じゃった。
「あの、ベネット爺さん」
「ええい! 話しかけるでない!」
ワシはツボの中身を確認する。
うまい具合に術が進行しておる。
「よし! いまじゃ! ここでルラムーン草を……」
ワシは助手が持ってきた鉢植えの草をちぎる。
「……あ」
助手が情けない声をあげて、その草を見たが、気にせずワシは草をつぼの中に放り込んだ。
 
しばし、待つ。
静かにつぼの中で術が進行していく。
 
とたん、ツボの色が紫色に変わった。
そして大きな火柱が立ち上る。
家全体が、大きな音と共にガタガタと揺れる。
光がまぶしい。
そして、大きな爆発が起こって、ワシも助手も部屋の隅まで吹き飛ばされた。

ふわり、とツボからドーナッツのような煙が湧き上がった。
それで、終わりじゃった。
ツボの中を見てみたが、もう何も残ってなかった。
 
何も、変わってない。
 
「ふむ……おかしいのぅ。ワシの考えでは今ので『ルーラ』という昔の魔法がよみがえるはずなんじゃが」
ワシは助手を見上げる。
「お前さん、呪文が使えるようになっとらんか、ちょっと試してみてくれんか?」
「でも、ベネット爺さんが研究してたんでしょ? ベネット爺さんが使えるようになってるはずじゃ?」
「ワシはまあ、使えんみたいじゃから、そうなると、使えるのは助手のお前しかおらんじゃろ。隣に居ったんじゃからな。……そもそも、お前さん、名前はなんじゃったかの?」
「あ、そういえば言ってませんでしたね。ボク、テスって言います」
「ではテス。試してみてくれんか?」
「ええと、ちょっと待ってくださいね。ボク、町の外で仲間に待ってもらってるんですけど、彼らはどうなりますか?」
「古文書の記述からゆくと、ルーラは行き先を想像し、一緒に行きたい者を思い浮かべると、あとは飛んでいけるらしい。じゃから、お前さんの仲間を思い浮かべておけば良いじゃろう」
「そういうものなんですか?」
助手は困ったように、首を傾げてから
「じゃあ、ええと」
助手は目を閉じてそれから、右手の人差し指でこめかみの辺りをトントンと叩く。
その後、小さな声で
「ルーラ」
と唱える。

その時、助手の体がふわりと浮き上がり、そして飛んでいった。
魔法は、成功したんじゃ。
 
 
「おお! おお! やったぞ! やったぞ!」
ワシは助手が飛んでいった方を見上げる。
「よし! この調子で次の呪文に挑戦することにしようぞ!」

助手からは、少し不思議なものを感じた。
ワシが長年研究してきた魔法は、助手の為になったのだと思う。
次の魔法も、助手の。
いや、テスの役にきっと立つ。

 
 
ようやく、ようやくルラフェンが終わりましたよ!
長かった。
つーかルラフェンにはほとんどいませんでしたけどね。ルーラに時間がかかりすぎというか。
まあ、いい。
とりあえず、ルーラを手に入れたテっちゃんが向かうのは、友人のところです。
何か知らんが大人気の親分再登場です。
私は普通に書いてるつもりなんですけどね。
 

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