■昨日ふと、このプレイ日記(小説風)を書く事に疑問を感じました。これまで通りの事務口調日記(笑)なら、確実にもうプレイに追いついているはず。
……うーん、小説風にする意義あるか?

我に返ったら負けですね。
 
とりあえず、ここまできたら書くしかないんでしょうけど。
……なんかなあ。
 
 
 
■ラインハット・リベンジ 5 (ヘンリー視点)
城の中は静まり返っていた。
モンスターと思しき兵士たちは、まだこっちの城の中枢部分には入ってこれないようだ。
とはいえ、もぐりこんだ台所で聞かされたのは「太后様に逆らうと首が飛ぶ」といった話で、これは多分比喩じゃなく確実にその通りになるんだろうな、という憂鬱な話だったりした。
モンスターはいなくても、太后自身がその状態に果てしなく近いともいえる。
「ピエールたち、置いてきて正解だったけど、大丈夫かな?」
「あいつら強いし、大丈夫だろ。とはいえ、さっさと話つけてきたほうがいいだろうな」

オレが先に歩いて、デールがいるだろう城の玉座を目指す。
静まり返った廊下に足音が響くたび、どこかから兵士が飛び出してくるんじゃないかって警戒しながら、出来る限りの早足で階段を上る。
「さすがに、慣れてるね」
「しばらくいなかったとはいえ、家だからな」
後ろからかけられた声に、オレは苦笑しながら答える。
テスはどこも変わってなくてよかったね、というような事がいいたいんだろう。
 
漸く玉座にたどり着いた。
大きな玉座に、似合わないくらい小柄でやせたデールが憂鬱そうに座っている。その前には、対照的なまで太った大臣が偉そうな顔をしてたっていた。
見た目だけなら、大臣のほうがインパクトがあって、貫禄もある。
「お前達は何だ? 王は今日は気分が優れないから面会はせぬと朝通達したであろう」
大臣はオレたちを胡散臭そうに見て、ぞんざいな口調で言った。「ええと」
テスはちょっと困ったように大臣の顔を見る。
一瞬、大臣の視線がテスに固定されたから、オレはそのそばを走り抜けてデールの元へ行く。
「あ、こら!」
大臣の声が背後でしたけど、テスがなにやら言葉をかけて大臣を足止めしてくれたみたいだった。

チャンスは今しかないだろう。
 
デールがオレをみて、面倒くさそうにため息をついたあと
「大臣に聞いたであろう? 今日は気分が悪いから話はしない」
退屈そうな声で、ボソリとつぶやく。
顔は、かなりの無表情。
「ですが王様。……子分は親分の言う事を聞くものですよ?」
オレはデールの耳元でささやく。

子どものころ、まだそれほどデールの母親が煩くなかったころ、オレとデールはよく遊んだ。
親分と子分なんていいあって。
覚えててくれるといいんだけど。
 
デールが驚いたような顔でこっちを見た。
これまでにないような、イキイキとした表情。
目が合ったから、オレは笑ってみせる。
「大臣! この者たちと話がある。席をはずしてくれ」
「はぁ!?」
大臣が驚いたような声をだしたが、「早く!」とデールに叫ばれ、ぶちぶちと文句を言いながら階段を下りていった。

デールは立ち上がって、オレを抱きしめる。
「兄さん! 生きてたんだね!」
「色々あったが、生きてた。帰るのが遅くなってすまない」
「そちらの方は?」
「テスだ。昔オレのお守りとして、パパスという方が来ていたことがあっただろう? あの方の息子さんだ」
「……ああ」
デールが少し苦しそうな声を上げた。
それで理解する。
サンタローズに攻め入ったのは、コイツの考えじゃない。
「サンタローズには申し訳ないことをしました。母上が勝手に兵を指揮してしまって……。あのころから母上は変わられました。最近では、僕の事も邪魔みたいで……」
少し涙ぐんで、デールは苦しそうに言う。
「なんていうか……。もうこの国は僕じゃ止められないのかもしれない」
「そんな弱気な事でどうする!」
オレの声にデールは少しビックリして顔を上げた。
「お前が王だ。お前がしっかりしないでどうする。国を守り、変な方向へ行かないようにするのがお前の仕事だ。国民を守るのがお前の仕事だ。お前の仕事は母親の意向や顔色を伺う事じゃない」
「……それは……そうなんだけど」
確かに、コイツは母親に逆らえるような性格じゃないのはよく分かってる。でも、こんな事では困る。
 
「で、だ」
オレが話を変えたことに、デールは首をかしげてこちらを見た。
「その、母親だがな。地下牢につかまってるぞ」
「え! 何言ってるの? 母上はこの上の階に……」
「どっちかが偽者ってことだ」
その言葉にデールはびっくりして、思わず天井を見上げる。
「多分、下にいるのが本物だよ」
テスがオレたちから少し離れたところで、床を指差しながら言った。
「だって、ボクらが通るまで、誰も地下牢の太后に気づかなかったでしょ? 偽者が今から国をのっとるつもりなら、そんな見つからない所に居ても仕方ないじゃない?」

「そんな……」
デールがよろっと玉座に座り込む。しばらく何かを考えているようだったが、急にデールは顔を上げた。

「……そういえば、どこかに真実を映す鏡があるっていう話を書庫で読んだことがあります。地下にせよ、上にせよどちらかが本物であるのが分かればいいんですから。今から兵士に探しに行くように命じて……」
「いや、オレが探してこよう」
オレが言うと、デールは驚いて「でも!」なんて反論する。
「いきなり帰ってきても、オレがヘンリーだって信じるやつは少ないだろうから、まずは功績をたててみせる。それに、兵が見つけてくる事は、多分ない。偽者にとってこれほど厄介な話はないからな。横槍が入るのが関の山だ。オレに任せてお前は待ってろ。上の太后の話はしばらく、聞かないでがんばってろ」
「……分かりました。これ、鍵」
オレはその鍵を受け取る。
「すぐ行ってすぐ帰ってくるから」
「うん」

オレが歩き出すと、テスも一緒についてきた。
「まさか一緒に行ってくれるのか?」
「どうして『まさか』かなあ」
テスは苦笑した。
「ヘンリー君がこの国を変えてくれるなら、ボクは喜んで手伝うよ」
「……じゃあ、一緒に行ってくれ。頼む」
「もちろん。……偽者の横っ面張り倒すのは、ボクに譲ってね」
「オレにも一発残してくれるならな」
オレたちは顔を見合わせてから、少し笑った。
「じゃあ書庫に案内してね、ヘンリー君」
「おう、任せとけ」

 
というわけで、デール君に面会です。
デール君、ヘンリー君やテっちゃんより小さいんだよね。
……15歳くらい?
そりゃ、なかなか太后には逆らえないよね。
 
それにしても、ヘンリー君てば立派になって。
書いててビックリしちゃったよ。
 

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