■ゲームで、ちょっと思い立ってチゾットへ行ってきました。ルーラが使えない村なので、あのややこしい立体洞窟通って。
しかもうっかりグランバニア方面から(ネッドの宿屋から行けばもうちょっと簡単なのに)
 
さて、チゾットには食べ物を好き嫌いする子どもが登場します。それをお母さんがたしなめます。その時、お母さんはこういいました。
「ちゃんと食べないと、お兄ちゃんみたいに貧弱な身体になってしまいますよ!」
 
……貧弱って、テっちゃん?
 
どうやら公式設定のテっちゃんは「子どものころは好き嫌いが多くて料理に困る」(サンチョ証言)くらいで、特に「にんじんが嫌い」(ビアンカ証言)だったらしい(にんじん嫌いはグランバニア到着前に知りましたが)
 
でも、今貧弱なのは多分成長期に十分な栄養を与えられなかったからだと思います。奴隷だったんで。

ちなみに、個人設定では今は何でも食べられます。好き嫌いいえる状況じゃなかったので。でもあまり量は食べられず、味付けが濃い、こってりしたものは食べられません。粗食小食です。
 
でも実際あの山道を平気で登り、片っ端から敵を蹴散らしてる(好きな呪文はバギクロス)そんなテっちゃんが貧弱だろうか?お母さん設定の「貧弱ではない」はどこに位置するんだろうか?サンチョみたいな感じか?
 
それとは別に分かった事は、娘は娘で好き嫌いが激しいらしい。
ピーマンとにんじんとたまねぎだったか。まだあった気がする。
……たまねぎは食べろ、心の中でチームネギネギに入ってる私が許さん(笑)
  
■ラインハット・リベンジ 4 (ヘンリー視点)
抜け道は、堀の影響かはたまた地下だからか、ともかく湿っぽくて、ちょっと気分が悪い。
そのせいでさっきからスラリンが文句をたらたらと言っているが、誰もが思っていることを言うだけだからか、今のところ誰もそれを止めなかった。
さすがにうるさいんだが、スラリンが黙ると今度はオレが不平を言いそうな気がする。だから、オレも注意はしない。
 
しばらく歩いていくと、聞いていた通り地下牢に出た。今のところ見張りや巡回はないらしく、通路には誰もいなかった。
牢の中にはかなりの人が入れられていて、希望のない眼で宙を見つめていた。
 
いやな目だ。
ドレイをやらされていたとき、周りにあふれていた目。
ああいう目をした人から、死んでいってしまった。
 
中にはまだ元気な爺さんもいて、「あの太后にはいつか天罰が下る!」とか叫んでいるが、何だかそれもむなしい響きになって壁に吸い込まれていく気がした。
「この方々を助けたい気持ちはわかります、ならば急ぐべきです」
立ち止まって牢の中の人たちをじっと見つめてしまっていたオレとテスを現実に戻したのは、そんなピエールの声だった。
「そうだね、根本を元に戻さなきゃね」
テスは固い声で答えると、歩き始める。オレもその後に続いた。
 
しばらく歩いていくと、少し大きな牢に出た。さっきまでとは違って、中にはテーブルや椅子、ベッドまで置いてある。多少は扱いの違う牢なのかも知れない。
中には、一人の中年の女の人がいた。
こんな場所には不釣合いの、ドレスを着て。
顔に。見覚えが、ある。
「誰だか知らぬが、ここから出してほしいのじゃ」
と、その女は言った。
「わらわは、この国の太后じゃ!」
 
……、ああ、やっぱり。デールの母上だ。
 
「太后は城にいるんじゃないですか?」
テスはそういって、太后を見る。すごく、冷たい目をして。多分顔を覚えてて、内心怒りが渦巻いてるんだろう。

「あれは偽者じゃ! どうしてわからないのか! ええい歯がゆい!」
太后はヒステリックに叫ぶ。……ああ、このヒスですら懐かしい気がしてきた。心が広くなったのかも知れない。
「偽者? じゃあ、昔行方不明になった王子様を実際にさらったっていううわさの人も、偽者のほう?」
テスが、そういって太后を見ると、太后はちょっと黙った。
「あ、あれは確かにわらわがした事じゃ。でも、それもわが子を王にしたいという愚かな心から。今ではとても反省しておる」
そう答えた太后を見ていたテスの目が、すっと細くなった。
軽蔑したような、冷たいまなざし。
コイツ、こんな目するんだって、一瞬恐かった。

「反省? 本当に? ここは確かに牢だけど、食べ物も寝るところも保障された場所にいて、出たいなんて自分の欲望ばっかり前面に押し出してるあなたが、反省しただって? ……冗談じゃない。もし、鍵を持ってたって絶対に出してやるもんか」
 
低い声だった。心底、怒った声。
 
「ボクたちが食べ物もほとんどもらえず体力以上の労働を強いられて明日死ぬかもしれないって状況になったのはあなたのせいだっていうのに、そのボクたちにここから出せなんて言う!」
その言葉に太后は眉を寄せる。
「おぬし達など知らぬ、言いがかりはやめよ」
「ボクは、あなたがさらわせたヘンリー君のお守りをしていた、パパスの息子。あなたの犯罪の隠れ蓑にされて、サンタローズに攻め入るきっかけにされてしまった、パパスの。たった一人の息子!」
太后の目が大きく見開かれる。
「じゃ、じゃあそっちにいるのは……」
そういって、太后はオレのほうを見る。オレは何も答えなかった。
「ねえ、ヘンリー君」
テスが、低いままの声でオレを呼ぶ。
「何だよ」
「目。つぶっててくれない?」
「は? 何で?」
「石、投げてやろうかと思って」
「……わかった。目つぶっとくから、オレの分も投げといてくれ」
太后が悲鳴を上げて牢の奥まで走っていくのが聞こえた。
「投げないのか」
「投げないよ。そんな事したら、ボクの人としてのレベルが下がっちゃうよ。あんな女のせいでそんな事になるなんて、耐えられないね。ちょっと脅かせればそれでいいの」
「気が済んだか?」
「あんまり。でも、行かなきゃ。ますますデール君が心配だし。このままじゃ第二のサンタローズみたいな事になるところが出るかもしれないもん」
「……悪いな」
「……平気」
本当は平気じゃないのは見て分かるけど、これ以上何もいえない。何を言ったって、謝罪になんてならない。

オレたちは、抜け道を抜けた。
着いた先は城の中庭だった。ドラゴンキッズが放し飼いにされてるような、そんな中庭。
「もう、モンスターの巣窟か?」
「意外とピエールたちは目立たないかもね。でも、一応城の中には行かないほうがいいだろうから、ここで待ってて?」
「わかりました」
「危なくなったら、オイラたちのこと大声で呼べよ、すぐに行くからな」
「ありがとう。頼りにしてる」

オレたちは、城を見上げる。
デールがいるのは、王座だろう。
待ってろ、今行くから。

 
というわけでラインハット城に乗り込みました。
本当は地下道で戦いを挑んでくるスライムナイトに、ピエール内心穏やかでないっていう話を書きたかったんですが、文字数の関係上、削除。
テっちゃんが珍しく怒りをあらわにしました。
テっちゃんだって、怒るときは怒ります。

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