■お仕事始まったので、現実ゲームはあまり進みませんが、かなりストックがあるので、冒険日記(小説風)にはあまり影響がなかったりします。……むしろ、あまりのストックの多さに、私が内容を忘れそうです。
 
 
 
■アルカパへ向かう (ヘンリー視点)
今日の朝食は、教会の隣にすむ爺さんも呼んできて一緒に食べることになって、テスは爺さんを呼びにいっている。
オレはシスターの手伝いをして朝食の用意をして待っているところだ。
「もう、行ってしまうなんて寂しいわ」
シスターはそう言ってため息をついている。

「ただいま」
テスが爺さんを連れて帰ってきた。
「おかえり、テっちゃん。それじゃあ朝ごはんにしましょう」
今日一日の糧があることを神に祈ってから、オレたちはのんびりと朝食をとる。
その間に、テスは昨日の夜村の奥の洞窟に行ってきたこと、そしてそこでパパスさんの残した「天空の剣」を手に入れたこと、そして遺されていた手紙の概要を伝えた。

「そうか、そんな剣があったのか。……思えば、その剣だったのだなあ」
爺さんが感慨深げに言った。
「え?」
テスが食べる手を止めて爺さんに聞き返す。
「ああ、昔な、パパスさんが『どうして自分には装備が出来ないのか』と嘆いていた物があったんじゃ。……その剣だったんだろうなあ。後にも先にも、あんなに悔しそうだったパパスさんを見るのはあれっきりじゃった」
「……そうですか」
テスは荷物と一緒においてある天空の剣に少し視線を送る。無言だった。
「でも、テスがパパスさんの遺志を継ぐ。きっとパパスさんは天国で誇らしい気持ちでいるじゃろうな」
爺さんも遠い目をした。
シスターも、何かを思い出すようにすこし視線を宙にさまよわせた。

「がんばります」
テスがぽつりと、誰に言うわけでもなく答えた。
「がんばりすぎるなよ」
爺さんはそういうと、パンに手を伸ばした。

「これからどうするの? もう旅に出るんでしょう?」
シスターがテスに尋ねる。
「アルカパにビアンカちゃんがいると思うんで、まずはアルカパに行って無事を知らせてきます。そのあとは、まあ、次々に町を巡ってみるつもりです」
「ああ、ビアンカちゃん。そうね。それがいいかもしれないわね」
「あの可愛い子じゃな。テスとようあそんどった」
「皆さん元気だったって伝えます」
テスはそういうと立ち上がった。
「ヘンリー君、用意できたら行こうね。シスター、お爺さん、ありがとう」
テスは深々と頭を下げた。
「テっちゃん、ここは何もないし、来るのはつらいかもしれないけど、また遊びに来てね。私はずっとここにいるから。旅でつらい事や苦しいことがあったら、いつでも話に来て頂戴。人に話して軽くなることもあるからね」
「わしみたいな老いぼれには、お前さんの無事を祈ることくらいしか出来ないから、せめて毎日祈らせてもらうよ」
テスはシスターと爺さんと握手して
「うん、わかった。また必ず寄るよ。どんなことになっても、ここはボクの故郷だから。……お爺さん、祈る以外にも出来るよ。ずっと長生きして。ボクが来るたび、元気でいて」
「ああ、わかったよ。がんばって長生きしよう。約束じゃ」
「私もずっとテっちゃんを待ってるからね」

オレとテスはシスターと爺さんに見送られて、サンタローズを後にした。

「ごめんね、ヘンリー君。何か湿っぽいお別れになって」
「別に。ああなるのは当たり前だろ?」
オレは笑ってみせる。
「それよりもさ、オレ早くアルカパに行きてえよ。お前の女神はすっげー可愛いみたいじゃないか」
「……だから、女神じゃないって。お姉ちゃんみたいなもんだってば」
「わかったわかった」
オレは笑いながら答える。それにしてもコイツ、自覚症状ねえなあ。ビアンカちゃんの事に話が及ぶと、すげえムキになってるのに。そう思うと笑いがこみ上げる。
「何でそんなに笑うかなあ」
テスは首をかしげ、本気で分からないという顔をした。

やっぱり面白いわ、コイツ。
 
「今度はアルカパ?」
スラリンがピョンピョン跳ねながらオレたちを見上げる。
「そうだよ、ボクの知り合いが住んでるんだ。無事だって事を知らせに行くの」
「ふーん。それが終わったら勇者探しに行くんだろ?」
「そうだよ。ピエールに聞いたんだね?」
「そう。ピエール帰ってきたらすぐ寝るんだもん、オイラさっき話聞いたばっかりだ。今度はオイラも連れてけよ、テス!」
「うん、わかった」

そんな簡単に頷いて、後知らねえぞ。

アルカパまではそれほど半日くらいで着いた。
その道中にドラキーの「どらきち」ってのが仲間になった。相変わらずテスは即答で一緒に行くことを許可した。
即答癖を直さないと、そのうちどっかで泣きを見るんじゃないかと思った。
とりあえず、オレが一緒に旅してる間はオレが気をつけておいてやろう、と思った。
 
アルカパは綺麗な町だった。
町の真ん中を川が流れていて、川には中洲があった。
教会の周りには花が咲き乱れていて、緑が多い、落ち着いているけど、活気にあふれた町だった。
「変わってないなあ」
テスはそういうと、あたりをきょろきょろと見回している。
「あの大きな宿屋がビアンカちゃんの家だよ」
「そうか。じゃあ、適当に町を見てから泊まりに行くか。とりあえず、手分けして話聞いてこようぜ。誰か伝説の勇者の話知ってるかも知れねえし」
「うん、わかった。それじゃ、夕方くらいに宿の前で落ち合おう」
テスの答えを聞いて、オレたちは一度別れた。

町の中で聞けた話は、あまり芳しくなかった。
もちろん、伝説の勇者の話なんて出なかった事もあるけど、そうじゃなくて。
ラインハットの、現実。
いい話なんか一つもなかった。

それを聞いているうちに、一つの考えが浮かび始める。

オレは、ようやく自分のやりたい事を見つけた。
いや、やるべき事を、見つけた。
 

 
というわけで、アルカパに到着。
そろそろヘンリー君が、色々と考え始めた模様。
逆にテっちゃんは脳みそフル回転、知恵熱寸前から脱出。
しばらく気楽な感じです。

そして。どらきちをゲットです。……奴は絶対関西弁を喋ると思います。
休みなく何かを話してるイメージ。スラリンとよく言い合ってるそんなイメージ。
 

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