今日のDQ5 (27)
2005年1月6日 今日の「DQ5」■実際のゲームのほうは、今からエルヘブンへ行くところです。
弟のデータで見たところ、エルヘブンの街自体で迷いそうです。
……いや、それ以前にエルヘブンってどうやっていくんだったっけ?
■サンタローズ 2 (ヘンリー視点)
ヘンリー君、心が軽くなる、の巻。
実際「俺のせいで村がこうなったと思ってるだろ?」ってゲーム中に聞かれました。
そういう風に考えるテっちゃんは存在しないよ、ヘンリー君。
ヘンリー君も大変だったんだねえ、とちょっとホロリとしたよ。
弟のデータで見たところ、エルヘブンの街自体で迷いそうです。
……いや、それ以前にエルヘブンってどうやっていくんだったっけ?
■サンタローズ 2 (ヘンリー視点)
夜の教会はしんとしてた。静かな夜。
向こうのほうからテスの寝息が聞こえてくる。
眠れなかった。
子どものころの自分がここにいたらひっぱたいてやりたい。
なんてわがままで傲慢だったんだろう。
何度だって夢を見る。
パパスさんが死んでしまったときの事を。
あのあとの、死んだようなテスを。
あの日。
パパスさんとテスが初めて来た日。
仲がよさそうな二人が、うらやましくてねたましくて。
ちょっと困らせたかったんだ。
それで、隠し階段を使って隠れて。
本当は、そのあと、どうしたかったんだろう?
どうせ見つかって怒られるのに。
怒られたかったんだろうか。
もう、今になっては思い出せないけれど。
そんなちょっとした気持ちがパパスさんを殺して、テスを不幸にして。
そして、テスの故郷をなくさせた。
それだけじゃない。
故郷に住んでた、何の関係ない人たちを巻き込んだ。
オレに一体、どんな権限があったっていうんだ?
「まだくじけるには早いよ」
テスはそういっただけだったけど。
もう、十分くじけていいんじゃないか?
本当は、お前、オレの事、恨んでるんじゃないか?
もう、死んでしまいたい気分だ。
「……」
天井を見つめる。吹き抜けで、屋根の三角形が逆に奈落へ続く穴に見えた。
どのくらいたっただろうか?
テスが起き上がって、ゆっくりと歩いて外に出て行った。
すこし時間を置いて、そのあとをつけてみる。
テスは、自分の家だったという廃墟に一直線に歩いていく。
「……」
無言で暫くその家を見つめていて、そのあと柱を抱きしめた。
「ただいま」
小さな声で呟いて。
柱の一部を剣で削り取っって、布で包んでから懐に入れた。
振り返ったテスと目が合った。
「あれ、ヘンリー君、眠れなかった?」
「眠れるか」
「……まあねえ」
「お前こそ、眠れなかったのか?」
「寝てたよ、目が覚めて、思いついてきてみただけ。風邪引かないうちにもどろうよ」
「テス」
「何?」
「この村がこんな風になったのは、オレのせいだと思ってるだろ」
テスがオレの目をじっと見た。
ちょうどテスの背後に満月がかかってて、妙に神々しく見えた。
「全然」
テスは「何言ってるのヘンリー君」みたいな顔をして、本当に呆れたような顔をしてから、きっぱりとそういった。
「気、つかってくれてサンキュー」
「そんなんじゃないって。ああ、もう」
テスは大げさにため息をついて見せた。
「あのね、ヘンリー君も被害者なんだよ、その辺わかってていってるの? もしね、ヘンリー君が命令してボクをドレイとして売り払った、とかだったらもちろんヘンリー君の事恨むよ。ヘンリー君の命令で村がこうなったんなら、ヘンリー君の事憎むよ。でも違うでしょ? ヘンリー君がドレイとして売り払われて、ボクはたまたま傍にいて巻き込まれたの。勘違いしちゃいけないよ、ヘンリー君。ヘンリー君とボクを不幸にしたのは、ヘンリー君のせいじゃないの。ヘンリー君のいたずらは、たまたま相手に隙をあたえただけなの。ヘンリー君がお父さんを信用してくれなかったのはちょっと寂しいけど、それはちょっとした運の問題だよ。いい? この村を滅ぼしたのも、ボクを不幸にしたのも、お父さんを殺したのも、全部ヘンリー君じゃないの。全然別の人なの」
「……」
「ボクはね、ヘンリー君の事好きだよ。ボクが死にそうな時とか、ドレイの時大変だった時とか、守ってくれたりかばってくれたのはヘンリー君だったよ。ヘンリー君がいてくれたから、ボクは生きていられるの。だからねえ、変なこと考えないでね」
「変なことって、なんだよ」
「死んでお詫びを、とか」
「……考えるかよ」
声がかすれたのが自分でも解る。そうさ、考えたさ。
「けどね」
テスはオレをしっかりと見てからきっぱりといった。
「ヘンリー君には悪いけど、ラインハットを好きになることはないから」
「好きになれなんて言わない」
「うん。……もどろう、寒いから」
「ああ、そうだな」
次の日、起きたらもうテスは起きていた。あの寝坊のテスに負けたのがちょっと悔しい。
「テっちゃん、思い出したんだけど。ラインハットへ行く前、暫くパパスさんは村で何かやってなかったかしら。ほら、隣のおじいちゃんのお家へ毎日通ってたでしょ? おじいちゃん、覚えてる?」
朝食の時、シスターがそう言い出した。
「あ、うん。確か、お父さんのジャマをしちゃいけないって言われたよ」
「おじいちゃんに聞いてみたらどうかしら? まだ元気でいらっしゃるから」
「まだ元気なんだ! うわ、会いたい。有難うシスター。朝ごはん食べたら行ってみる」
「ええ、そうしてみて」
何かを決めたら一直線なのが、テスのいいところであり悪いところであると思う。朝食がおわると、さっさと出かける用意をして、外に出て行く。
「ヘンリー君、ハヤクね」
「わかったわかった、ちょっと待っててくれ」
「うん、ハヤクね」
テスはうずうずとドアの外で待っている。
「気をつけて行ってきてくださいね」
シスターはにこにことオレに言う。
このひとは、オレが何者か知らないからこんなに笑っていられるのだろうと思う。
せめて、この人には、オレの事言った方がいいと思った。
「あの、シスター、オレ……」
「早く行かないとおいていかれますよ? テっちゃん、結構足が速いから」
「オレの名前……」
「ヘンリーさんでしょう? テっちゃんが何度も呼んでました。テっちゃんが貴方を許しています。そして貴方が苦労をしたのもわかります。憎むのは簡単ですが、許すのは難しいことです。私はこれでも神に仕える身。ですから、私は何も申しません」
「ありがとう」
外に出ると、テスはもう隣の爺さんの家の前にいた。
「ヘンリー君、はやくー!」
「おー、待ってろよー、今いく!」
ヘンリー君、心が軽くなる、の巻。
実際「俺のせいで村がこうなったと思ってるだろ?」ってゲーム中に聞かれました。
そういう風に考えるテっちゃんは存在しないよ、ヘンリー君。
ヘンリー君も大変だったんだねえ、とちょっとホロリとしたよ。
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