今日のDQ5 (22)
2005年1月1日 今日の「DQ5」■今日からテっちゃん冒険再開。
■旅立ち (テス視点)
テっちゃん、実は腹黒疑惑発覚。
実は子ども時代からも結構打算的なところもあったんですけどね(苦笑)
彼の子ども時代の「〜って、なあに?」っていうのは、実は知識欲の表れみたいなつもりで書いてました。
表現能力が低かったんだよね。
そういうことにしときましょうよ。
もしくは、奴隷時代にひねくれたか、どっちかです。
■旅立ち (テス視点)
結局ヘンリー君は修道院のなかにいないみたいだった。あきらめて外に出ると、ヘンリー君は入り口の外で腕組みをして壁にもたれて立っていた。
「いよいよ旅に出るのか?」
「うん、助けてもらって何も返さないのもどうかって思うけどね、長くお世話になると、きっと出かけられないようになっちゃうと思うんだよね」
「そうだよな。長くいると里心っていうのか? そういうのつきそうだしな。第一、お前には母親を探すっていう目的があったもんな。」
「うん、唯一の目的だね」
「なあ……どうだろうか? その旅にオレもつき合わせてくれないか?」
「え?! ヘンリー君ラインハットに帰るんじゃないの?」
「城に帰ってどうするんだよ。オレとデールとの王位継承争いがあって、オレもお前もあんな目にあったんだぜ? 帰ったとしたらまたあんなことがあるだけだ。帰れないだろうが」
「あ、そうか」
「だから、オレにも目的ができるまででいいんだ。一緒に行かせてくれよ」
「んー、でも……」
「お前意外と冷たい奴だな。お前はオレの子分になったんじゃなかったか? 親分の言うことは聞けよな」
「え? あれまだ有効なの?」
「いいだろ?」
「うん。ヘンリー君にもきっといい目的ができるよ」
「……じゃ、決まりだ。善は急げっていうもんな。オレ、みんなに出かけるって挨拶してくる」
「うん」
ヘンリー君が走っていくのをボクは見送って、しばらく入り口で待っているとヘンリー君がシスターやマザー、マリアさんを連れて出てきた。
「やはり行ってしまうのですね。何でも母を探す旅とか。北にある大きな町でなら、何か分かるかもしれませんね。どうかお気をつけて」
シスターが目に涙をためて言ってくれる。少しの間しか一緒にいなかったのに、ここの人は本当に優しい。
「本当に色々ありがとうございました。私はここに残り多くのドレイの皆さんのために、毎日祈ることにしました。そしてテスさんがお母さまに会えるようにも……。どうかお気をつけて」
マリアさんは深々と頭を下げてそういってくれた。
ヘンリー君がマリアさんと握手をする。
「ありがとう、マリアさん元気で」
マザーが深く静かな声で、ボクをじっと見て
「テス。あなたはもう大人です。これからは自分の道を自分で見つけなくてはならないでしょう。しかし神さまが見守ってくれていることを忘れないでください。テスの旅に神の御加護のあらんことを」
「ありがとうございます。ボク、やれるだけやってみます。マザー、お元気で」
「さあて いこうぜ!」
ヘンリー君の声を合図に、ボクらは見送りにきてくれたみんなに手を振って、歩き始める。
少しある歩いて修道院が見えなくなってから、ボクは立ち止まる。
「ヘンリー君、取り敢えず北の街っていうところなんだけど」
「ん?」
ボクはヨシュアさんが残しておいてくれた荷物の中から、小さいころ父さんに貰った地図を引っ張り出す。
「……地図だ」
「うん、ええと、さっきいたのがこのへんでしょ?」
そういってボクは修道院が立っていたあたりを指差す。
「ここから北だから、オラクルベリーだね」
「しっかし、先生に習ってた通りだな、世界の地図って」
「……逃げるの中止してまで先生に勉強を教えてもらった甲斐があったでしょ?」
暫く沈黙があった。
「テス、まさか、お前、逃げたあとの事考えて先生に文字やら地理やら習ってたのか?」
「そうだよ」
ヘンリー君がよろっと一瞬めまいを起こしたようにふらついた。
「大丈夫? ヘンリー君」
「信じらんねえ。そこまで考えるか!」
「考えたんだよ。小さいなりにボクは考えたの。どうして逃げるのが毎回失敗するのか。どうすればいいのか」
「結論は?」
ヘンリー君はボクを信じられないようなものを見る顔つきで見ている。
「小さいから。すぐに追いつかれて捕まって持ち上げられる。だから大きくならないと不利。だったら大きくなるまで無駄に過ごしてたらもったいないなあって思ってたら、先生が捕まってきた」
「……テス、お前意外と打算的に生きてたんだな」
「あの生活の中で、唯一自由だったのは考えることだけだったでしょ? だから、その自由を目一杯使っただけ」
「あー、オレは今すごくビックリしてる」
「うん、見て解るよ」
ヘンリー君は暫くしてからかすれた声で言った。そんなにビックリするほどの事でもなかったと思うんだけど。
「お前さ、オレに始めてあった時『子分ってなあに?』とかすげえ莫迦っぽかったのにな。いつのまにそんなに打算的というか戦略家というか……なんていうのかなあ。裏切られた気分だよ」
「ひどいなあ」
ボクは苦笑する。
ヘンリー君も笑った。
「まあ、お前のおかげでオレも今からの日常生活には支障がないわけだし、感謝する」
「うん。じゃあ、行こうか」
ボクらは歩き出す。
北に大きな町が見えてきたのは、1日くらい歩いた時だった。
「ヘンリー君、見えてきた」
「すげー、こんなに離れてても見えるぞ」
「大きな町だね」
ボクらはまだ町にも入ってないのに暫くぽかんとその街を立ち止まって見つめてしまった。思えば恥ずかしい。
「行こうか」
「そうだね」
ボクらはゆっくりと歩き出す。
空は綺麗に晴れていて、春先の風は爽やかだった。
「自由っていいな」
「そうだね」
テっちゃん、実は腹黒疑惑発覚。
実は子ども時代からも結構打算的なところもあったんですけどね(苦笑)
彼の子ども時代の「〜って、なあに?」っていうのは、実は知識欲の表れみたいなつもりで書いてました。
表現能力が低かったんだよね。
そういうことにしときましょうよ。
もしくは、奴隷時代にひねくれたか、どっちかです。
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