■いたスト。その後ようやく、どういうゲームか把握しました(笑)一番最初のステージで三回も負けた甲斐があったというものです(苦笑)
持ちキャラはビアンカちゃん。めさめさカワイイ。
 
あ、昨日の「今日のDQ」ちょっとだけ直しました。どこかは言わないけど。
 
 
■ラインハット 4 (テス視点)
お父さんって、やっぱり強いなあ。ボクとゲレゲレだけだったら、もっと大変だったと思うくらい長い洞窟なのに、お父さんが居るだけですーっと進めちゃう。 
ボクも、いつかお父さんみたいになれるかなあ?

「テスは強くなったなあ」
お父さんはそういいながら、ボクにホイミを掛けてくれる。大きい手で、頭を撫でてくれる。
「お父さんは強いねー! すごいなあ。ボクもお父さんみたいになれるかなあ?」
「すぐさ」
すぐにお父さんみたいになれるんだったら、いいなあ。
「お父さん、ボクね、お父さんの事大好き。この前会ったお兄さんがね、お父さんの事大事にしろって」
「お兄さん?」
「うん。どんな辛いことがあっても負けちゃダメって」
「ああ、不思議な預言者の若者か。お父さんも会ったぞ」
「お兄さん、なんていってた?」
聞いたけど、お父さんは少し口をゆがめて
「ラインハットへ行かないで欲しいといわれた。このことだったのかな?」
って言って、黙っちゃった。

ボクとお父さんとゲレゲレは、洞窟の一番奥くらいまで歩いてきた。水路の向こうに牢屋があって、そこにヘンリー君が居た。
「あ、ヘンリー君だ」
「! ヘンリー王子!」
お父さんはヘンリー君が入ってる牢屋を暫くガチャガチャやってみて、
「く! 鍵がかかってる! ぬ! ぬおおおお!!!」
お父さんが大きな声をあげて、無理やり入り口を開けた。
「すごーい、お父さん!」
お父さんは、つかつかと牢屋に入っていく。
「王子!」
ヘンリー君がコッチを見て、く、って笑った。
「助けに来るのが随分遅かったな。ま、オレはもう城に帰る気はないからな。王位は弟が継ぐ。オレが居ない方がいいんだ」
「王子!」
お父さんが、コレまでないくらい大きな声で言うと、いきなりぱちんってヘンリー君のほっぺを叩いた。
「な! 殴ったな!」
「王子! 貴方は父上の気持ちを考えたことがあるのか! ……父上は……父上は」
お父さんは泣いてるみたいだった。
「……」
「……」
お父さんもヘンリー君も暫く黙ったままにらみ合ってた。
「……まあ、ともかくお城に帰ってからゆっくり父上と話されるがいいでしょう。さあ、追っ手が来ないうちに行きましょう」
お父さんがヘンリー君の手を引いて、牢屋からでる。ボクとゲレゲレも続いた。
進もうとしたら、どこからともなく魔物がやってきた。
「く! もう追っ手が! テス、ここは父さんが引き受けた。お前は王子を連れて早く外へ!」
「お父さん!?」
「大丈夫だ、早く行きなさい!」
ボクはお父さんを見上げる。お父さんは微笑んでから、頷いた。
「うん、わかった。お父さん、あとでね」

ボクはヘンリー君の手を引いて走る。ゲレゲレも付いてきて居る。
「お前! 親父はいいのか!」
「お父さん、強いもん。負けないよ。後からきっと来てくれるよ」
「途中で魔物が出たらどうするんだ!」
「ボクとゲレゲレが退治してあげる! ボク、ヘンリー君の子分だもん!」
「お前……!」
ボクらは一生懸命走った。

もうすぐ、出口。

出口に、背の高い誰かが立っていた。
見た瞬間、背中がぞわってした。
なんていうのかな。「あ、大変だ」って思った。
「ほっほっほっほ。ここから逃げ出そうとするとは、いけない子ども達ですね。この私がおしおきをしてあげなければ……」
その人が、そういった。
もう一回背中がぞわってした。嫌な声だなって。
ゲレゲレが低い声でうなってる。
ヘンリー君が、「何だコイツ!?」って、叫んだ。
そうだ、ボク、ヘンリー君を守らなきゃ。
 
そう、思ったところまでは、憶えてる。
あとは、切れ切れにしか、憶えてない。

誰かが、低い声でうなるのが聞こえた。
それで、ボク、目を開けた。
そうだ、ボク、気絶しちゃったんだ。
あの、背の高い、魔物だった人になぐられて。
 
ボクは。
その魔物に、ゲマとかいった魔物に、捕まってた。
コイツが持ってる鎌が、ボクの首元にある。
動いたら、さされる。
この鎌が動いたら、ボクは死んじゃう。
 
お父さんが。
二匹の魔物にやられていた。ずっと、じっと、耐えてる。
ボクが、ちゃんと逃げられなかったから。
ボクを守るために、動けないで居る。
白い、ウマみたいなのと、
青い、サイみたいなの。

ボクは、目を閉じたかったけど、閉じなかった。
お父さんは、ボクのせいで、殺されかけてる。
ボクが。
もっと強かったらよかったのに。
 
「テス! テス! 聞こえてるか!」
お父さんが、苦しそうに叫ぶ。
「実はお前の母さんはまだ生きているはず……。わしにかわって母さんを」
お父さんは、最後まで、言い切ることは出来なかった。
苦しそうに、息をしていたのが、弱弱しくなる。
もう、しゃべらない。

大きな火の玉を、ボクを捕まえてるゲマが出した。
その火が、お父さんを焼いていく。

何も残らないくらいに。
 
「ほっほっほっほっ。子を思う親の気持ちはいつ見てもいいものですね。しかし心配はいりません。お前の息子は、わが教祖様のドレイとして一生幸せに暮らす事でしょう。ほっほっほっほっ。ジャミ! ゴンズ! この子供たちを運びだしなさい」
「ゲマ様、このキラーパンサーの子は?」
「捨ておきなさい。野にかえれば、やがてその魔性を取り戻すはず」
「うん? 待ちなさい。この子供は不思議な宝石を持っていますね。この宝石はもしや…? どちらにしろ、こうしておくとしましょう」

そういうと、ゲマは、ボクがビアンカちゃんに預かった、綺麗な宝石を粉々に砕いてしまった。
お兄ちゃんに、綺麗だねって、ほめてもらったのに。
 
「ほっほっほっほっ。さあ、行きましょう」

ジャミ。
ゴンズ。
ゲマ。
 
名前を忘れちゃいけないと思った。
今見た光景を、忘れちゃいけないと思った。
 
お父さん。

お父さん。
 
お父さん。
 

ごめんね。
 

お父さん。
お父さん。
……お父さん。


 
 
ラインハット編、とりあえずはおしまいです。
ゲームで初めて泣きました。SFC版ではどうもなかったのに。
テっちゃんとシンクロしてたからかなあ……。
 
ともかく。
おしまいです。
ああ、パパス。
テっちゃんとの約束を果たせないまま死んでしまったパパスの気持ちは、どんなだっただろう。
 
書きながら相変わらず思い出し泣きです。
涙腺弱いなあ、もう。
 
 
 

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