■いたストね。DQ5の主人公さんはずーっと先しか出ないんだって。……がーん。
モノポリー癖が抜けてないから、微妙にこのゲーム苦手かも。
株が押さえられるかどうか、がかなり鍵を握ってるみたいな気がする。まだ、気がするだけかも。
 
 
 
■ラインハット 3 (ゲレゲレ視点)
ヘンリーは怪しい男どもにさらわれた。
俺としてはテスが無事だったから、本当はどうでもよかったが、テスはそうではないらしい。
テスは「友達」のヘンリーが連れて行かれたことに随分ビックリしているみたいだが、本当のところは「子分」って言われてる時点で奴に莫迦にされてんだぞ、分かってるのか。
分かってないだろう。
 
テスはぺたぺたと足音を立てて、一生懸命走っていく。
まあ、歩くよりは早いってくらいで別に早くはない。ちょっともどかしい。
ようやくヘンリーの部屋の前の廊下に着いた。
テスが方向感覚のしっかりしている子どもでよかったと思った。
 
「おとうさん!」
テスが父親に声を掛ける。
「……テス!? どうしてそちらから来るんだ? お前はヘンリー王子の部屋で一緒に遊んでいたのではないのか?」
「ええとね、ええとね、ヘンリー君のお部屋には隠してある階段があるの! ボクとヘンリー君ね、かくれんぼをしてたの。ヘンリー君がずるしてね、その階段を使ってたの。でね、一階に下りてたの。そうしたらね、扉をがーって開けて男の人が二人入ってきてね、ヘンリーだな! ってヘンリー君に確かめてね、がーんってヘンリー君の事なぐってね、ヘンリー君痛そうにうめいてね、男の人に抱えられて外に連れてかれちゃったの。それでね、お城の堀にイカダがあって、そのイカダでぴゅーっと行っちゃったの!」
 
……まあ、テスの割には説明うまかった方だな。
 
「なに!!! それは一大事! ヘンリー王子がさらわれた!」
「さらわれるって、なあに?」
「連れて行かれて、ここへは二度と帰れなくなるってことだ」
「うわ! 大変だ!」
「隠してある階段ってどこだ、テス!」
父親は半分テスを抱えるみたいにしてヘンリーの部屋に行った。
ヘンリーの部屋の隠し階段はそのままになっている。
「コレか! こういうことは先に言っておいてくれ!」
「ボク、知らなかったの」
「お前に言ってるんじゃないんだ。気にするな。ともかく追うぞ」

父親はテスとともに一階に下りる。そして、思い出したように立ち止まって、テスを見た。
「いいかテス。この事は誰にも言うな。騒ぎが大きくなるだけ だからな……。私とテスで解決しよう。さあ、とにかく王子を助けださないとっ! ついて来いテス!」
そういうと、父親はヘンリーが連れて行かれた扉から出て走っていった。とても足が速い。ちょっと待て、テスにその速さは無理だ。
 
「お父さん?」
あああ、いきなり引き離された。
ぽかーんとテスは父親が走っていった方を見ている。見えなくなってしまったんだから、見てても仕方ないんだぞ。
「ええと、どうしようかゲレゲレ。お父さん、わかんなくなっちゃったねえ。でも、追いかけなきゃねえ」
テスはそういうと、ちょこちょこと街の方へ歩き出す。仕方ないから俺もその後ろについていく。
城であんなことがあったんだ。街だってそんなに安全じゃないかも知れない。俺がするべきことは、テスを守ることだ。
 
「この街の北東には、大きな洞窟があるんだって。でも危ないから行っちゃだめってママに言われてるの」
女の子がそういったのを聞いて、テスは俺の方を見た。
「ゲレゲレ、行ってみようか」
 
正気か。
危ないから行っちゃいけないんだろう。
お前、絶対危ないぞ。特にお前だからな。
普通でも危なっかしいのに、危ないところへ行ってどうする。
 
「ヘンリー君は、帰ってこれないところに行ってるんでしょ? だったら、人が来ないようなところに連れてかれるよね。だから、きっと連れて行かれるならそこだよ」
 
……!!!
コイツ、賢いんじゃないのか!?
 
でも、この緊張感のない笑顔は何だ?
行動と言葉が一致しない奴め。

俺はテスのあとについて一緒に北東にある洞窟へやってきた。
途中で何度か危ない目にもあったが、まあ大体は無事だ。
洞窟は人が作った感じの、随分しっかりした石造りの洞窟だった。
階段が付いていて、段差やら立体的な交差やらで分かりづらい。
たいまつが所々で燃えている。つまり誰かが居るのだ。さすがにテスが緊張してるのが分かる。
 
「あ、お父さんだ!」
テスが指差したのは、下の階の広場で敵と戦っている父親だった。近寄っていく敵はほとんど瞬殺。あいかわらず強い。
テスもあんな風になるのか?
思って見上げるが、どうも想像が出来ない。
「ええと、お父さんが居るのがあそこだから」
ぶつぶつといいながら、テスは指をさして確認をしてるようだった。
「じゃあ、行こうかゲレゲレ」
テスはそういうと、ちょっとだけいつもより早足で歩き始める。
途中で、男たちが居るところを通った。
「うん? なんだ お前は? ああ、キラーパンサーを連れているところをみるとお前も魔族だな。ひっく……。」
酒臭い男はそういってがははははと笑った。

魔族。
 
それは俺だけだ。テスは違う。
「魔族って?」
「おまえ、ふざけてるのか? キラーパンサーと連れ立ってるだろうが」
「ゲレゲレが?」
「もう、先に行けよ」
男に追い払われてテスは仕方なく歩き始める。
「いこっか、ゲレゲレ」
何だかきな臭い話だとは思ったが、残念だが俺の言葉はテスには伝わらない。せいぜい雰囲気を伝えるだけだ。
「どうしたの? ゲレゲレ」
俺がテスの服のすそを引っ張ったから、一瞬テスは立ち止まる。
「早く行かなきゃ、お父さんが待ってる」
テスはそういうと、また歩く。何でかは分からないが、テスはあまり迷うことなく歩いていく。
 
しばらく歩いていくと、テスの父親のところに辿り着いていた。
「お父さん」
「おお! テスか! はぐれてしまったと思ったが、こんな所まで一人で来るとは……。お前も随分成長したものだな。父さんはうれしいぞ!」
父親は本当に心底嬉しそうに言うと、テスの頭を撫でた。
テスも嬉しそうににこーっと笑って父親を見上げている。
さっき見せた頭よさそうな感じはもうどこかへ行ってしまった。
あれは見間違いだったのかもしれない。

「さてともかく、王子を助けださねば! お前が先にいけ。後ろの守りは父さんが引きうけたぞ! 父さんが後ろなら、はぐれることはないからな!」
父親はそういうと、テスの後ろを歩き始める。テスの緊張が解けたのが分かる。
このひとが居たら、俺も安心だ。



テっちゃんは、実は賢いのです。
たぶん。
基本的に単語を知らないんだと思う。だから人に伝える技術もない。
と、思いたい。
 
少なくとも、方向感覚だけはしっかりしてる模様。
 
……ああ、もうここまできちゃった……。

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