■電脳友達からメールが来ました。
「テスくんとビアンカちゃん、かわいいですね。DQはやったことないんで、こういう話だったのかーって思って読んでます。続きたのしみにしてます」
 
……責任重大です。
 
いい話なのは、まあ、コレだけ売れてるゲームですから、保障されてます。私の味付け如何な訳ですか?
……っていうか、主役がテっちゃんって時点で……。ああ、どうしよう……。
 
 
■妖精の国 2 (テス視点)
目が覚めたら、おうちにいた。
確か、西の洞窟で鍵の開け方を教えてもらって、妖精さんたちが住んでるところに行って、宿屋に泊まって寝ちゃったはずだったんだけど。
「起きたか、テス。なんだかうなされていたみたいだが、どうした? 変な夢でも見たか?」
「ええとね、妖精の国がね、大変なの。春風のフルートが盗まれてね、それで、人間界ってところに春が来ないんだって」
「……スケールの大きな夢だな。寝惚けてるな? ……今日もお父さんは調べ事だ。おまえも村の外に出ちゃいけないぞ?」
「……??? うん……」
ボクは、夢見てたのかな?
そう思ってキョロキョロしたら、窓際にベラが座ってた。
「夢じゃないわよ。私がここにいて、テスと話をしてるのが何よりの証拠でしょ? ……それにしてもテスのお父さんって強そうね。どうせならああいう人に助けに来て欲しかったわ。……あ、いや、テスが悪いってことじゃないのよ?」
「……うん」
お父さんのほうが、強いもん。ボクも助けに来てほしいなって思うけど、ベラが見えないんだったら、まあ、仕方ないよね。

階段を下りていって、サンチョに挨拶をする。
「おはよう、サンチョ」
「おはようございます、ぼっちゃん。何だか浮かない顔ですね」
「うーん? 元気だよ」
「そうですか?」
ボクはサンチョの作ってくれた朝ごはんを食べてから、地下室に行ってみた。やっぱり階段がある。
「テスが大変なのはわかるけど、誰にも分かってもらえないのよね。言わない方がいいわ」
ベラがそういいながら階段をのぼっていく。
ボクもゲレゲレを抱き上げて、階段を登った。
 
今日も、妖精の国は雪で真っ白だった。
「さ、今日は北の氷の館よ」
「うん」
ボクとゲレゲレはベラの案内で北の方へ歩く。
ちょっと山道が続いてて大変だったけど、しばらくいくと氷の館っていうのが建っていた。
氷で出来てるみたいで、青白くって綺麗。
「すっごーい。綺麗ね!」
ベラも初めて見るんだって。
「でも、すっごく寒そう! なるべく早く終わらせたいわね。長くは居たくないわ」
「うん、寒そうだねえ」
ボクも氷の館を見上げる。ゲレゲレがくしゃみをした。
「ゲレゲレも寒い?」
ボクがゲレゲレをみると、ゲレゲレは頷いたみたいだった。

「鍵がかかってるわね」
ベラが氷の館の大きな扉を見て、呟く。
「あける? 悪いことじゃない?」
「うん、開けて。今は開けてもいいのよ」
ベラがそういったから、僕は扉を開けた。
中は、外から見るよりもっと綺麗だった。
青白い氷が、どこからか入ってきている光を反射してキラキラと青く光ってる。大きな氷の柱が、自分で光ってるみたいにも見えた。
床もつるつるの氷だった。
「綺麗だねー、ベラ!」
「そうね、綺麗ね」
そういって、一歩前に歩き始めたら。

「!?!?」
つるって。滑った。
ゲレゲレも、四本の足が踏ん張り利かなくて、かりかりって爪を立ててる音がするけど、やっぱり滑ってる。
ベラも「きゃあ!?」って滑った。
床は、ちょっとだけ傾いてるみたいだった。
入り口すぐのところに、落とし穴があった。
「あ、うそ!」
ベラが叫んだのが聞こえて。
僕らは落とし穴にまっさかさまに落ちた。
 
痛かった。
 
 
上を見たら、ボクらが落ちてきた穴がぽっかり開いてるのが見えた。
「……床はすべるから気をつけないといけないわね。あと、ちょっと傾いてるみたいだし。ゆっくり歩けばそんなに滑らないわよ、きっと」
「うん」
「だから、気をつけて、なるべく最短距離を歩くようにしていきましょう」
「うん」
ボクはベラが指差した方に小さくみえてる階段を見て、頷いた。
 
ベラには悪いけど、すべる床はちょっと面白いと思う。
 
 
続く。

 
酷いよ、最初の落とし穴は絶対落ちるよ!
すべるの忘れてたよ!
滑りつつも、敵は出ます。
出ますけど、そのお陰で滑ってるのが強制ストップします。
ありがたいことに、そのお陰で近道が出来たことが何回かありました。
ビアンカとともに無駄にレベルを上げてたので、妖精の国はとっても簡単にさくさく進んでいきます。
 
……さくさく進むのもちょっと考え物です。

 
 

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索