名探偵の掟
2004年10月26日 今日の「本」(活字)
■今日の本
『名探偵の掟』ISBN:4062646188 文庫 東野圭吾 講談社 1999/07 ¥620 売上人気:37,569位
この本を読むのは三回目です。
東野圭吾の本の中では一番好きな作品。
これで東野圭吾に入門したんですよ、確か。
年間100冊計画のルールでは、確か年内に同じ本を読んだ場合はカウントしない、というルールだったと思うので、まあ、カウントします(笑)
……いま、何冊目だっけなあ(遠い目)
45冊目か。……年間100冊は無理だね、こりゃ。
というわけで、名探偵の掟。
これは、「推理物」を読んでいれば読んでいるほど、
「推理ドラマ」や「2時間サスペンス」を見ていれば見ているほど、面白く、笑えて、身につまされる感じの本です。
謎を鮮やかに解いてみせる名探偵。
出し抜かれる警部。
ありがちな二人組みが、良くあるタイプの謎解きに挑む。
その中で繰り広げられる「ありがち」なために起こるマンネリを笑い飛ばす作品(そしてそのボヤキをするのは登場人物たち)
たとえば、密室殺人について。登場人物である警部は
なーんて言っちゃったりするのだ。
この「ぼやき」の場面こそがこの作品の売りであり、それでいて、登場人物たちが「虚構の世界」といっている「推理小説」としてのパートもちゃんと推理物としての雛形が分かる仕組みになっていて、お得です。二重構造になっています。でも、混乱とかはしません。そのあたり、作者が上手にまとめてくれています。
密室物大嫌いな探偵役にも注目。
もちろん、実際にはお約束が好きだから読んでいる、水戸黄門をはじめとする時代劇の、形はすばらしいじゃないか、という反論もあると思う。
……そういう人には向かないかもね。
でも、そこで考え直すべきなのは「なぜ、お約束は美しく感じられるのか?」ということじゃないかなあ。
お約束を笑い飛ばすということは、お約束とは何か、ということを考えることでもあるわけですね。
まあ、そんな細かいことをおいておいても、十分楽しめる作品です。
『名探偵の掟』ISBN:4062646188 文庫 東野圭吾 講談社 1999/07 ¥620 売上人気:37,569位
’97年版『このミステリーがすごい!』第3位
密室トリック、首なし死体、消えた凶器……快刀乱麻の名探偵・天下一が挑む難事件。
「これぞ天下一、変幼自在の快作」
『密室宣言』を読み、手を拍(う)って以来のファンである。小林秀雄はいった、谷崎においてはマゾヒズムが(ついにもののあはれにまで到達した)と。本格推理の自虐趣味が、この『天下一シリーズ』では<をかし>の領域に行き着いた。コピーして人にも読ませたい。しかし、日本中に配るだけのコピーはとれない。それが難点だった。こうしてまとめられたのが、実に嬉しい。――北村薫
内容(「BOOK」データベースより)
完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。フーダニットからハウダニットまで、12の難事件に挑む名探偵・天下一大五郎。すべてのトリックを鮮やかに解き明かした名探偵が辿り着いた、恐るべき「ミステリ界の謎」とは?本格推理の様々な"お約束"を破った、業界騒然・話題満載の痛快傑作ミステリ。
この本を読むのは三回目です。
東野圭吾の本の中では一番好きな作品。
これで東野圭吾に入門したんですよ、確か。
年間100冊計画のルールでは、確か年内に同じ本を読んだ場合はカウントしない、というルールだったと思うので、まあ、カウントします(笑)
……いま、何冊目だっけなあ(遠い目)
45冊目か。……年間100冊は無理だね、こりゃ。
というわけで、名探偵の掟。
これは、「推理物」を読んでいれば読んでいるほど、
「推理ドラマ」や「2時間サスペンス」を見ていれば見ているほど、面白く、笑えて、身につまされる感じの本です。
謎を鮮やかに解いてみせる名探偵。
出し抜かれる警部。
ありがちな二人組みが、良くあるタイプの謎解きに挑む。
その中で繰り広げられる「ありがち」なために起こるマンネリを笑い飛ばす作品(そしてそのボヤキをするのは登場人物たち)
たとえば、密室殺人について。登場人物である警部は
『密室』は性懲りもなく出てくる。
いったいなぜなんだろうか。
私は機会があれば読者のみなさんに伺ってみたいと思っている。あなた、本当に密室殺人事件なんか面白いんですかい?
なーんて言っちゃったりするのだ。
この「ぼやき」の場面こそがこの作品の売りであり、それでいて、登場人物たちが「虚構の世界」といっている「推理小説」としてのパートもちゃんと推理物としての雛形が分かる仕組みになっていて、お得です。二重構造になっています。でも、混乱とかはしません。そのあたり、作者が上手にまとめてくれています。
密室物大嫌いな探偵役にも注目。
もちろん、実際にはお約束が好きだから読んでいる、水戸黄門をはじめとする時代劇の、形はすばらしいじゃないか、という反論もあると思う。
……そういう人には向かないかもね。
でも、そこで考え直すべきなのは「なぜ、お約束は美しく感じられるのか?」ということじゃないかなあ。
お約束を笑い飛ばすということは、お約束とは何か、ということを考えることでもあるわけですね。
まあ、そんな細かいことをおいておいても、十分楽しめる作品です。
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